落ちて行くラブソング、ミトコンドリア

アァ、まるで、好きの単細胞生物だ。

エムディ

十二時を示して
時計の針はくるくる
メリーとドリーの約束は
泣きたいくらい宙に舞う

十五時を示して
僕の心ぐるぐる
メリーとドリーの約束は
悲しいくらい嘘みたい

衝宇宙

夜が交ざった
深くなって まるで宇宙
ほうり出されて動けない
僕は 泣き出して

、空白

僕はあの時
　　になりたかった

そうすればきっと
　　、を絡め取れた。

蝉時雨

もう、悲鳴も、過ぎて、バラバラ。
『愛して欲しい』も もう届かないな。
陽が落ちて、傾くオレンジ
また夜になる。


もう、悲哀も、過ぎて、バラバラ。
『哀して欲しい』も もう、聞こえないや。
陽が落ちた、いびつな群青
もう声が出ない。


耳の奥で鳴り続けてる
嫌になるくらいの。
眩暈がしそう、独りにしないで。



この声が届かないまま
千切れそう、雨の中、僕だけが
落下してく、雨音、重ねて
もう 君には届かない。




もう悲哀も、過ぎて、バラバラ。
『あいしてほしい』も もう、届かないな。
陽が落ちて、七度目、多分で
もう声が出ない。


この声が届かないまま
千切れそう、雨みたい、僕だけが
落下してく、雨音、重ねて
もう 君には届かない。